本にはその時代の人のそれぞれの思いが詰まっています。
残すべき良書を後世に伝えるのも古本屋の大切な仕事です。
四半世紀も前に発行された書籍なのに驚くほど状態が良い本もあります。
保管方法は図書館などを参考にされるといいと思います。
本にとって良くない環境とは「湿気と日光」であります。
湿気は本の天部に溜まった埃を凝固させ沈殿させてしまいます。
一見カビのように見えるのが埃なのです。また本の変形の原因にもなります。
除湿剤を置いておくのもいいかもしれません。
日光も劣化の原因となります。紙が焼けてしまい、ひどい場合には文字が読めなくなることもあります。
ご自宅であれば北側の部屋に本棚を設置し、カーテンなどで遮光しておくといいと思います。
特に愛着のある本はトレーシングペーパーや、パラフィン紙、グラシン紙、硫酸紙(りゅうさんし)などで保護しておくと長期保管も可能です。
個人的にお勧めなのは硫酸紙でしょうか。
また、本は横積み(平積み)で保管すると高い確率で変形します。なかなかもとの形には戻りにくくなります。
大量出版時代の煽りで、一冊一冊の価値が薄れてしまいました。
本を手にする気持ちを忘れないでいたいものです。
ぜひ皆さんも本の保全をお考えいただけましたら、本を扱う仕事をしている者にとっては幸せです。