日中戦争下のモダンダンス

日中戦争が勃発し、多くの人が戦地に赴くなか。
舞踏家達は、ある使命を託されていました。
日本では、対外的文化工作の一環として日本帝国主義を賛美するような舞踊を推奨していました。
その一方で、軍の士気を高めるための舞踊も支持していたのです。
一方、中国では抗日宣伝のために大陸各地で舞踊を披露していました。

本書では、時代の流れと共に変化していった日本と中国のモダンダンスについて詳しく知る事ができます。

台湾の蔡瑞月や李彩娥、更には朝鮮の崔承喜の活動を通して戦時期の様子がありありとわかります。
それだけではなく、戦後の彼女達が故郷でどのように舞踏界を発展させていったのかもわかります。

また、上海バレエ「リュス」で活躍した唯一の日本人ダンサー・小牧正英や東京と上海で活躍した呉暁邦にもスポットが当てられています。

そして、対日義援金や戦災児童教育のために開かれたコンサートについても触れています。

戦争下でも、決して踊りをやめなかった舞踏家達の情熱がこの本には詰まっています。

                                                                                                                       2023年4月の買取価格です