梅雨入り前に本棚の湿気対策 ― カビ知らずで査定額アップ!
梅雨が来ると、室内の湿度は一気に70%を超えます。
紙は空気中の水分を吸いやすく、本の背表紙が波打ったり、ページに茶色の斑点カビが広がったりするのはあっという間。
せっかく集めたコレクションが台無しになれば読書の楽しみも失われ、いざ買取に出すときに減額――最悪の場合は値がつかない、ということも珍しくありません。
だからこそ梅雨入り前の今こそ、予防が最大のメンテナンスなのです。
1 まずは湿度を「見える化」する
本棚まわりの湿度を把握しなければ手を打てません。
デジタル温湿度計なら5秒で数値を確認でき、アラーム付きモデルなら60%を超えた瞬間に教えてくれます。
目標は50〜55%。
毎朝チェックするだけで「今日は除湿機を回すべきか」が判断できます。
2 風の通り道をつくる
本棚を壁にべったり付けていると、背面に湿気がこもります。
たった三センチ離すだけで空気が循環し、カビ胞子の温床を防げます。
床との接地面も密閉しないようゴム脚やスノコで底上げしましょう。
3 置き型除湿剤+部屋全体のダブル除湿
引き出し型の除湿剤を棚ごとに設置し、吸水量が半分ほどになったら即交換。
「まだ水が溜まっていないから」と放置するのが最悪のパターンです。
梅雨本番で湿度が連日65%を超える日は、二〜三時間コンプレッサー式除湿機を運転して室内全体の水分を抜きましょう。
電気代を抑えたいならタイマー機能や衣類乾燥モードの短時間利用が効果的です。
4 希少本は防湿庫へ
初版本やサイン本など、査定額に直結する貴重書はカメラ用防湿庫が最適です。
庫内湿度を45%前後で安定させられ、庫内灯付きなら閲覧もラク。
30リットル程度のモデルでも四六判の大型本が20冊以上入るため、意外と収納力があります。
5 天然調湿材でプラスワン
炭八や竹炭シートのような「呼吸する炭」は、空気が乾燥すると湿気を放出し、湿ると吸収します。
本の背の内側や箱詰め保管の隙間に入れておくと、置き型除湿剤が切れたときの保険になり、繰り返し使えるのも経済的です。
6 月イチ点検&乾拭き
梅雨明けまでの3か月は、月に一度本を少し引き出して背表紙を柔らかい布でホコリ取り。
カビはホコリを栄養に増殖するため、“掃除=防カビ” と心得ましょう。
点検時に湿度計の電池残量や除湿剤の交換日をラベルに書き込み、作業ログを残しておくと来年以降も迷いません。
カビ対策でどれくらい得をする?
カビ臭や波打ちがあると減額。
たった数百円の除湿剤と週一回の湿度チェックで数万円の差がつくのなら、これほど手軽で確実な投資はありません。
今日から始められる三つの習慣
毎朝五秒の湿度チェック
除湿剤は「溜まったら即交換」
月イチの棚掃除でホコリ退治
この三つだけでもカビリスクは大幅に低下します。
梅雨は毎年来ますが、準備をしておけば怖くありません。
大切な蔵書を最高の状態で次の世代へ渡すためにも、そして査定額を一円でも上げるためにも、今年は一歩先の湿気対策を始めましょう。