「四大奇書」の研究

本書では、まず「四大奇書」が書かれた明代について解説されています。
明代で何が起こっていたのかがわかると、作品をより理解しやすくなります。

そして、まず登場するのが「三國志演義」です。蜀・魏・呉を舞台に描かれる英雄達の活躍に、胸を熱くした人達も多いのではないでしょうか。
「三國志演義」について、嘉靖本と葉遭春本を鍵に、その成立と展開について語られています。

そして、続いては「水滸傳」です。
北宋時代に起きた反乱が描かれ、魅力的な登場人物達の活躍に胸踊らせた人もいる事でしょう。
内容や語彙から、作品の成立について綴られています。

更に、玄奘三蔵法師や孫悟空達が活躍する「西遊記」と豪傑の西門慶が欲に溺れ破滅する「金瓶梅」。
この作品が人々の間で広まった理由についてもわかってきます。

作品が出来た背景がわかると、これまで以上に内容の重みが増してきます。
「四大奇書」を読んだ事がある人にとっても、まだ未読の人にとっても興味深い1冊となるでしょう。

                                                                                                                       2023年4月の買取価格です