書道の本は、原本が博物館や個人蔵にあり紙の複製でしか学べない分野のため、刊行から年月が経っても探す方が絶えません。京都市北区では二玄社『原色法帖選』の揃いと懐素『自叙帖』の巻子本を、掛軸と硯まであわせてお譲りいただきました。
巻子本や掛軸は平積みで運ぶため、段ボールに詰めていただく必要がありません。書道教室の閉室で期限が決まっている整理にも伺います。

書道の本の買取価格はどう決まるのか
揃いの冊数が評価をいちばん大きく動かします。二玄社の叢書は1シリーズで40冊から60冊あるため、全巻そろっているかどうかで金額の幅が変わります。
法帖と碑帖が古書として残り続ける理由
書道を学ぶ人が手本にする法帖は、複製そのものが学習の道具です。王羲之や顔真卿の書は原本が博物館や個人の所蔵にあり、直接見られる機会はほとんどありません。手元に置いて字画を追えるのは複製された法帖だけで、そのために質のよい複製が長く求められ続けます。
これまで拝見した蔵書でも、同じ『蘭亭叙』が版元の違う複製で何冊も並んでいることがよくありました。同じ書を、複製の質を変えて何度も手に入れておられたわけです。
石碑を紙に採った拓本は、採られた時期によって字の残り方が違います。古い時期のものほど資料として重んじられ、デジタル画像では代わりにならない部分が残るため、紙のまま需要が続いています。
拓本は文化財の調査資料と一緒に保管されていることもあります。修理工事報告書や文化財調査報告書もあわせて買取しています。
奥付を開く前に函の背を見ます
奥付の版元名が最初の手がかりになります。中国と日本の書の複製で知られる二玄社、篆刻の印譜を数多く出してきた書学院出版部、『書道全集』を刊行した平凡社。この3社の名前があれば、まとまっているほど評価しやすくなります。
二玄社では『中国法書選』が全60冊と別冊総索引、『原色法帖選』が全49冊、日本の書を集めた『日本名筆選』が全47冊という構成です。台北の故宮博物院や東京国立博物館、三井文庫の協力を得て作られたものもあり、複製の質そのものが評価の対象になります。
函に法帖選、法書選、名筆選と書かれていれば、シリーズものの可能性が高いです。何のシリーズか分からないままでかまいませんので、函の背をそのまま写真に撮ってお送りください。
揃いと端本で金額が変わります
書道の叢書は1シリーズの冊数が多く、揃っているかどうかで評価の幅が大きくなります。二玄社『原色法帖選』は全49冊、『中国法書選』は全60冊と別冊総索引、平凡社『書道全集』は神田喜一郎・田中親美の監修で全26巻に別巻2冊を加えた計28冊です。
当店の参考買取価格では、『原色法帖選』全49冊の揃いが200,000円、『書跡名品叢刊』全28巻揃が45,000円、『中国法書選』全60冊セットが15,000円です。『中国法書選』は別冊総索引が1冊抜けているだけでも揃いとして扱えなくなりますので、函の中身をご確認ください。
端本でも査定はいたします。
函の背に法帖選・法書選・名筆選とあれば揃いです
二玄社と平凡社の叢書、清の篆刻家の印譜
押入れに長く置かれた函入りは湿気を受けています
書道の本は函入りの大型本と和紙が多く、押入れや倉庫に長く置かれていたものは湿気の影響を受けています。カビ、水濡れの染み、和紙を食う虫の跡が出ていると評価が下がります。巻子本は巻いたままの癖がつくと開きにくくなります。置き場所に不安があるなら、閉室や引越しの1ヶ月前にご連絡いただければ日程を組めます。
参考買取価格を金額の順に 二玄社の叢書から篆刻の字典まで
書道の本につけた参考買取価格を、高い順に並べます。どれも宅配買取での金額です。状態と時期によって上下します。上の4つが叢書のそろいで、5つ目からは和装本や掛軸、書家ごとの本、字典と続きます。
金額の高い順に18点
- 200,000円 二玄社『原色法帖選』全49冊
- 45,000円 二玄社『書跡名品叢刊』全28巻
- 17,000円 柳原書店『中国歴史博物館蔵法書大観』全15巻と特典1冊
- 15,000円 二玄社『中国法書選』全60冊
- 12,000円 高田忠周 編『學古發凡』全8巻6冊(説文楼)
- 12,000円 二玄社 宋徽宗『瑞鶴圖』掛軸 原寸複製
- 10,000円 二玄社 王鐸の書法5冊、張瑞図の書法3冊、呉昌碩2冊 計10冊
- 8,800円 毎日新聞社『書の紙 日本・中国・韓国』限定3,000部
- 6,600円 二玄社『石鼓文 先鋒本』原色法帖選 第37巻
- 6,300円 『宋拓 関中本 永師千字文』内藤虎 解説
- 5,500円 金剛峯寺『聾瞽指帰』上下二巻
- 5,100円 雄山閣出版『かな連綿字典』全11巻
- 5,000円 池上本門寺『朝夕諷誦 日蓮聖人御遺文』全3巻
- 4,000円 二玄社『日本名跡叢刊』全100冊と総索引
- 1,500円 講談社『標註訂正 康熙字典』
- 700円 『近代篆刻字典』
- 600円 『呉昌碩篆刻字典』増補第三版
- 400円 『逆字篆刻字典』
『中国歴史博物館蔵法書大観』は甲骨文から明清の書札まで15巻です
柳原書店と上海教育出版社が共同で出した図録で、全15巻に特典の『宋拓大観帖 第七 原色新帖』が付いて16冊になります。第1巻が甲骨文と金文、続いて陶文、璽印、碑刻の拓本、法帖、墓誌の拓本、晋唐の写経、戦国から元までの墨跡、明清の法書と扇面や書札の墨跡へ進みます。参考買取価格は17,000円で、『中国歴史博物館蔵法書大観』の買取価格に巻ごとの中身を載せています。
函が生成りの布なので、日焼けと手の跡が出ます。査定では巻の色がそろっているか、大型の図録を立てて保管されていたか、拓本と墨跡の頁の発色を見ます。図版の発色がこの本の価値そのものです。
特典の『宋拓大観帖』が見当たらなくても、本編15巻の状態を見て査定します。
石鼓文の単冊は6,600円、49冊そろえば200,000円です
『原色法帖選』第37巻の『石鼓文 先鋒本』は、中国でいちばん古い石刻の文字を北宋のときに採った拓本から複製した本です。三井家の聴氷閣旧蔵で106頁。単冊の参考買取価格は6,600円です。同じ本が全49冊そろうと200,000円になります。冊数が30倍になるからではなく、そろっていることに金額がついています。
石鼓文の北宋拓には先鋒本、中権本、後勁本の3つの系統があり、明の安国が名づけました。原色法帖選では先鋒本が第37巻、中権本が第49巻、後勁本が別巻に入っています。函の題簽でどの系統かが分かります。3本の拓の違いは『石鼓文 先鋒本』の買取価格で並べました。
布張りの函は外側から傷みます。布地のすれ、題簽の剥がれ、本体の小口の日焼けを見ます。二玄社の現行品で、定価は15,500円です。
明治の和装本と宋の拓本 學古發凡と関中本千字文
高田忠周が編んだ『學古發凡』は全8巻6冊の和装本で、帙に入っています。甲骨文、金文、篆書の字形を集めた本で、高田は117巻の『古籀篇』で1916年に帝国学士院賞を受けた古文字の研究者です。参考買取価格は12,000円です。大正から昭和初期にかけて複数の版があり、補巻の付いた版もあります。『學古發凡』の買取価格は帙と綴じの状態で見ています。
『宋拓 関中本 永師千字文』は、1109年に石に刻まれた智永の真草千字文の拓本です。原石は失われていて、これが残っているなかでいちばん古い拓の系統になります。内藤虎の解説付きで、和装に帙。参考買取価格は6,300円です。折り目と帙の傷みを見ます。同じ石から採った拓が複数ありますので、『宋拓 関中本 永師千字文』の買取価格はどの拓かで動きます。
掛軸の複製と紙の標本 瑞鶴圖と書の紙
二玄社の原寸複製『宋徽宗 瑞鶴圖』は掛軸1本で、約74×51cm。北宋の徽宗が1112年に描いた絵に、痩金体の自筆の文と詩が付きます。原本は中国の遼寧省博物館にあります。参考買取価格は12,000円です。査定では天と地の汚れ、巻き癖、軸先の欠け、紐のゆるみを見ます。天地が汚れていても本紙が無事なら査定します。段ボールの外箱と紺の題簽のことは『瑞鶴圖』掛軸の買取価格のページに書きました。
『書の紙 日本・中国・韓国 手漉画仙紙と料紙』は1977年に毎日新聞社が3,000部限定で出した本です。解説編に加えて実物の手漉き紙を貼った標本が付き、国の無形文化財に指定された紙の標本も入っていて、参考買取価格は8,800円です。標本が抜けていると本の性格が変わりますので、『書の紙』の買取価格では付録の有無を先に確かめています。
王鐸、張瑞図、呉昌碩 書家ごとの本は編者と冊数で見ます
二玄社の書法シリーズは書家ごとに分かれています。王鐸の書法が5冊(巻子篇一と二、琅華館帖、冊篇、條幅篇)、張瑞図の書法が3冊(巻子篇一と二、條幅冊篇)、呉昌碩が2冊(『呉昌碩のすべて』『呉昌碩の画と賛』)、計10冊で参考買取価格は10,000円です。王鐸を村上三島、張瑞図を広津雲仙、呉昌碩の画と賛を青山杉雨が編みました。
この10冊を拝見したとき、外箱は1冊分しか残っていませんでした。二玄社の書道の本は外箱が先に捨てられることが多く、本体がそろっていれば外箱がなくても査定します。背の下の生成りの紙にシミが出やすい造りです。冊ごとの題は王鐸の書法ほか10冊の買取価格に載せました。
高野切から寸松庵色紙まで 日本の仮名の本
二玄社『日本名跡叢刊』は1976年12月から1986年7月まで10年かけて出た100冊で、総索引1冊を加えて101冊です。小松茂美の解説で、高野切古今集、寸松庵色紙、継色紙といった平安の仮名から近世の筆跡まで入ります。参考買取価格は4,000円です。生成りの表紙に日焼けとシミが出やすく、薄い冊子なので平積みにすると背が折れます。抜けがあっても、『日本名跡叢刊』の買取価格のページに書いたとおり背の番号を確かめて査定します。
雄山閣出版『かな連綿字典』全11巻は竹田悦堂の監修、佐野榮輝の編で、1990年から1992年に出ました。連綿は仮名を切らずに続けて書くことで、この字典は文字を単独の形で並べずに、前の字とつながった状態で示します。高野切や針切など平安の名筆を系統ごとに分冊し、第11巻が総索引です。参考買取価格は5,100円です。
いま流通している新装版は系統ごとの単巻で、函の背に巻数がありません。『かな連綿字典』全11巻の買取価格は、背に第一巻から第十一巻と入った1990年代の版の金額です。帯の有無、函の背の日焼け、口のつぶれを見ます。
空海と日蓮の筆跡の複製は書道の棚にも入ります
金剛峯寺が出した『聾瞽指帰』上下二巻は、空海が24歳で書いた原本の複製で、釈文と解題が付き、黄土色の布貼りの帙に入っています。原本は国宝で金剛峯寺にあり、のちの『三教指帰』の初稿にあたります。参考買取価格は5,500円です。帙が本体を守っていますので、角にすれがあっても中身がそろっていれば金額をつけます。『聾瞽指帰』の買取価格では釈文と解題のそろいを先に確かめています。
池上本門寺の『朝夕諷誦 日蓮聖人御遺文』全3巻は2019年1月の初版で、白い函の題字は1260年の『立正安国論』の真蹟から集めた字です。参考買取価格は5,000円です。毎日のお勤めで開く本ですので、函に手の跡と角の傷みが出ます。『朝夕諷誦』の買取価格も公開しています。
どちらも仏教書の蔵書整理で出てくることが多い本です。お寺の蔵書と仏教書の買取のページとあわせてご覧ください。
字典と入門書は数百円の帯です
講談社の『標註訂正 康熙字典』は渡部温の校訂で、明治18年版の復刻の1冊本です。『康熙字典』の買取価格は1,500円。篆刻の字典は『近代篆刻字典』が700円、『呉昌碩篆刻字典』増補第三版が600円、『逆字篆刻字典』が400円で、どれも数百円の帯に収まります。
入門書はさらに下がります。『石川九楊の書道入門』が300円、『決定版 中国書道史』が400円、『楷書がうまくなる本』が100円、『はじめての小筆字』が20円です。
書道の蔵書で金額になるのは叢書のそろい、拓本、和装本、印譜です。入門書は冊数があっても金額を動かしません。教室で配られた手本のコピーと同じで、探す人が少ない本には値段がつきません。
書道の本の買取実例
法帖と印譜と書道具が出てきた10件
京都市北区で原色法帖選の揃いと巻子本をお譲りいただきました
段ボールを開けると『原色法帖選』の函が背を上にして詰まっていて、書譜、蘭亭叙、十七帖、九成宮醴泉銘、争坐位稿と続いていました。書道を長く続けてこられた方の蔵書整理で、懐素『自叙帖』の巻子本、墨や硯などの書道具、掛軸もあわせてお譲りいただいた事例です。

神戸市西区で清の篆刻家の印譜を約300冊
趣味で篆刻をされていた方の蔵書整理で約300冊をお譲りいただきました。呉昌碩印譜は初集から第四集まで、鄧散木印譜は第一集から第九集まで。並べてみると同じ書学院出版部の造りで、背の高さがそろっていました。趙之謙印譜と徐三庚印譜も含まれていました。
印譜は篆刻を学ぶ方が手本にする資料です。呉昌碩や鄧散木は集次がそろっているほど探されるため、初集だけ、第三集だけという形でも巻次をお知らせください。

大阪市中央区で拓本と法帖、書道具をまとめて
拓本と法帖と碑帖が同じ棚に混ざり、その下に硯と墨と印材が置かれていました。約300冊と書道具をまとめて買取しました。本と道具で窓口が分かれると手間が増えますので、当店では書道の本と硯や墨、筆、印材を一度に拝見しています。
いっぽうで、練習用の半紙の束や、教室で配られた手本のコピーには値段をつけられませんでした。処分の手間だけかかってしまうものは、あらかじめお伝えしています。
最初は少量と伺っていましたが、着いてみると書家の蔵書でした。『金石索』の木箱、『圓機活法』の和装本、紐で束ねた和綴じ本、拓本や法帖が積み重なっていました。道具の査定に追加の担当を呼び、大型本が多かったので査定と運び出しに約3時間かかっています。当日の順は大阪市中央区で書家の蔵書約300冊を買取した案件に書きました。

吹田市で明清書法叢刊と墨・印材を
二玄社『明清書法叢刊』が墨と印材と一緒に出てきました。枚方市と交野市でも二玄社の書道書を200冊から300冊の規模で買取しており、北河内から北摂の一帯では書道を続けてこられた方からのご相談が続いています。
吹田市の方は最初、「来てもらうのが申し訳ないのですが、1度見てほしい」とお電話でおっしゃいました。メールで写真を送っていただき、それを見てから伺う日を決めています。硯、印材、墨、筆立ての筆、和綴じの本が畳に広げられていて、墨と印材を中心に評価しました。写真から日を決めた流れは吹田市で明清書法叢刊と墨、印材を買取した案件のとおりです。

神戸市西区で40年分の書道の本約1,000冊を40箱に
ご主人が40年以上書道を続けて集めた本で、引越で書斎がなくなるための整理でした。6畳の和室の三方の壁に肩の高さまで積まれていて、査定に約3時間、搬出に1時間。辞典類が約200冊、手本の本が多数、函付きが8割で状態はよいものでした。
書道大字典が数種類、篆刻大辞典、中国法書選が60巻近く、王羲之や顔真卿の作品集、書道の歴史と理論の本、戦前のものを含む印の図録。拓影展大の金文字典や甲骨文の字典も並んでいました。「思っていたより良い金額」とのお言葉をいただいた日で、40箱の内訳は神戸市西区で書道の本約1,000冊を買取した案件にあります。

枚方市で書道の本300冊と硯、それに一般書を段ボール10箱
ご両親の書道の本と道具、それにご自身の関西の歴史と釣りの本という組み合わせでした。書道の本が300冊、一般書が段ボール10箱。硯は桐箱に入ったものから唐木の硯箱に収めたものまであり、墨とあわせて本と同じ日に見ました。査定に少し時間をいただきましたが、金額をお伝えすると喜んでいただけました。そのときのご感想は枚方市で書道の本300冊と硯を買取した案件に載せています。

交野市は3,000冊のうち二玄社の200冊だけをお譲りいただきました
親族の蔵書が壁一面にあるとのご相談でした。総数は3,000冊ほどありましたが、ほとんどは探す人の少ない本で、置いて帰ることになりました。お譲りいただいたのは二玄社の書道の本200冊ほどです。『中国法書選』第27巻の『真草千字文 隋 智永』、第22巻、第41巻、顔真卿の『祭姪文稿』が写真に写っています。
3,000冊のうち200冊という数字が、書道の本の査定の実際です。冊数ではなく、版元と叢書の名前で金額が決まります。交野市で二玄社の書道書約200冊を買取した案件では、残りをどうしたかも書いています。

八尾市で鄧散木印譜の第一集から第九集と和綴じの拓本
高齢になり身の回りの物を整理したいというご相談で、長年趣味で書道と篆刻をされてきた方の本でした。鄧散木印譜は第一集から第九集、呉昌碩印譜は初集から第四集、趙之謙印譜、東京堂出版の『呉昌碩自鈐印譜五種』。棚の下の段には中国の和綴じ本と拓本が平積みになっていました。
担当が背表紙を見て「良い本をお持ちですね」と申し上げたところ、「本当に分かっている人に来てもらえたと安心しました」とお返事をいただきました。棚の写真は八尾市で印譜と拓本を買取した案件でご覧いただけます。

茨木市で法帖と茶道の本、掛軸と桐箱の道具をハイエース1台に
蔵書整理のご相談で、茶道の点前と道具の大型本、美術の画集と図録、函入りや帙入りの書道の法帖と複製本が同じ家にありました。桐箱に箱書きのある品と掛軸も含めて査定し、傷めないように箱詰めしてハイエース1台に満載で積み込んでいます。「函入りで重い本や桐箱の道具まで運び出してもらえて助かった」とのことでした。掛軸の箱がどう積まれたかは茨木市で法帖と茶道の本、掛軸を買取した案件の写真をご覧ください。

丹波篠山市の約500冊は持ち帰れる本だけに値段をつけました
ご家族のご遺品で、書道の本、掛軸、硯と筆の書道具のご相談でした。約500冊のうち、値段をつけたのは持ち帰れる本だけで、それ以外は置いて帰っています。『金詩 天・地』の布貼りの帙、『園帖』全四冊の紺の帙、和装本が段ボールから出てきました。神戸や阪神間から離れた地域でも、書道の本がまとまっていれば日程を組んで伺います。約500冊のうち何を持ち帰ったかは丹波篠山市で書道の本約500冊を買取した案件に分けて書きました。

書道具と掛軸も本と一緒に拝見します
書道の蔵書整理では、本だけでなく硯、墨、筆、印材、掛軸が一緒に出てくることがほとんどです。当店はこれらを本とあわせて拝見しますので、道具のために別の業者を探していただく必要はありません。
硯と墨と印材は本と同じ日に、同じ担当が見ます
枚方市では桐箱に入った硯と唐木の硯箱、吹田市では墨と印材、茨木市では箱書きのある桐箱と掛軸が本と一緒に出てきました。
桐箱と箱書きは中身と離さないでおいてください。硯箱の蓋が割れていても、硯そのものは見ます。印材は箱に入ったままで、石の種類を調べていただく必要はありません。
巻子本と掛軸は段ボールに詰めずに、箱のまま平らに運びます
京都市北区では懐素『自叙帖』の巻子本が赤い題簽の紙箱に入ったまま、掛軸と一緒に床に置かれていました。巻子本と掛軸は箱のまま平積みでハイエースに載せますので、段ボールに詰めていただく必要がありません。桐箱の掛軸は紐を結び直さないでください。
巻いたままの癖がついた巻子本は、開こうとせずにおいてください。

書道教室を閉められるときの整理も承っています。長年の手本、生徒さんに配っていた課題、月刊の書道誌のバックナンバーがまとまって残っているご相談が多く、こうした資料は次に教室を開く方や書道を学ぶ方の手に渡ります。
当店は古書籍商組合に加盟し、古物商許可(奈良県公安委員会 第641050000642号)のもとで営業しています。
『原色法帖選』や『書跡名品叢刊』につけた金額は、書道の本の買取価格のページに冊数つきで並べています。
拓本の時期 重複した法帖 教室の整理
Q. 拓本は古いものほど良いと聞きました。新しいものは値段がつきませんか?
A. 採られた時期が新しいものも査定します。古い拓本のほうが資料として重んじられますが、碑の字が読める状態であれば新旧を問わず拝見します。まとまった数があれば、時期の違うものが混ざっていて構いません。
Q. 同じ法帖が何冊も重複していたり、シリーズの一部だけしかない場合はどうなりますか?
A. どちらも査定します。重複しているものは状態のよいほうを中心に見ますが、両方買取できます。シリーズの一部だけの場合は、残っている巻次が評価に関わりますので、函の背が見える写真をお送りいただけると具体的にご案内できます。
Q. 書道教室を閉めるので、手本と生徒さんの作品が混ざっています。分けてから連絡すべきでしょうか?
A. 分けていただかなくて大丈夫です。当日こちらで拝見して仕分けます。教室の整理は期限が決まっていることが多いので、閉室の日が決まった時点でお電話ください。書道具や書道誌のバックナンバーも一緒に査定します。
Q. 『原色法帖選』が49冊のうち40冊しかありません。揃いでないと値段は下がりますか?
A. 下がりますが、拝見します。全49冊で200,000円、第37巻『石鼓文 先鋒本』の単冊で6,600円というように、そろいと単冊で幅があります。40冊なら、どの巻が抜けているかによって金額が違ってきますので、函の背の番号をお知らせください。番号順に並べ替える必要はありません。
Q. 『中国法書選』は60冊ありますが、別冊総索引が抜けています。
A. 本編60冊がそろっていれば査定します。総索引がないと全60冊セットの15,000円という扱いにはなりませんが、端本として金額をつけます。総索引は薄い冊子なので、ほかの本のあいだに紛れていることがよくあります。探すのは当日で間に合います。
Q. 函の背に書学院出版部とあります。印譜かどうかは分かりません。
A. 書学院出版部は呉昌碩印譜、鄧散木印譜、趙之謙印譜など清の篆刻家の印譜を数多く出してきた版元です。背に書家の名前と「印譜」の字があれば印譜で、初集、第二集と集次が続きます。何集まであるかを背の字で数えていただければ、集次のそろい方から金額をお答えできます。
Q. 硯と墨だけがあって、本はほとんどありません。
A. 本と一緒に見るのが基本です。道具だけのときは、点数と桐箱の有無をお電話でお知らせください。伺えるかどうかは、お電話の時点でお伝えします。
Q. 掛軸の桐箱に墨で何か書いてありますが、読めません。
A. 読めないままで大丈夫です。箱書きは作者や来歴を記したもので、当日こちらで読みます。箱と掛軸を離さないでください。紐もそのままで。茨木市では箱書きのある桐箱が本と一緒に出てきて、箱のまま車に積んでいます。
Q. 巻子本が固く巻いたままで、開くと折れそうです。
A. 開かずにおいてください。巻き癖の程度は当日に見ます。京都市北区の懐素『自叙帖』の巻子本も、紙箱に入ったままの状態で見ています。
Q. 二玄社の本の外箱を全部捨ててしまいました。
A. 本体がそろっていれば査定します。王鐸の書法5冊と張瑞図の書法3冊、呉昌碩2冊の計10冊のときも、外箱は1冊分しか残っていませんでしたが、10,000円になりました。二玄社の書道の本は、外箱が先に捨てられることが多い造りです。
Q. 遺品で、拓本なのか印刷の複製なのかも分かりません。
A. 分からないままお知らせください。函の背が見える写真が1枚あれば、叢書かどうかはお答えできます。拓本と影印本の見分けは、その場でします。大阪市中央区では拓本と法帖と碑帖が同じ棚に混ざっていましたが、分けていただいてはいません。
Q. 生成りの函が日焼けして茶色くなっています。
A. 中身がそろっていれば査定します。『中国歴史博物館蔵法書大観』や『日本名跡叢刊』は函や表紙が生成りで、日焼けと手の跡が出やすい造りです。図版の発色が保たれているかを見ますので、函の色だけで金額は決めません。
法帖は、前に使った人の手を離れても、次に筆を持つ人の手本になります。原色法帖選の49冊も、書学院出版部の印譜も、そのために値段をつけています。

